「ポートピア連続殺人事件」は、1985年にエニックスから発売された、ファミコン初の本格推理アドベンチャーゲームである。原作はドラクエシリーズで有名な堀井雄二氏である。
今から見ればかなりしょぼい画面で、BGMも無く、人物がしゃべる時や物がぶつかったとき、パトカーのサイレンといった効果音のみである。しかし、単調なゲーム進行とは裏腹にストーリーは衝撃を受けるシーンが多く、追いかけていた人物が死体で発見されたり、それに伴って捜査が間違えた方向に進んでしまうなど、中盤から終盤にかけて見せ場が満載である。
そして、最後の真犯人とプレイヤーのかけひき、真実を知った真犯人の悲哀と後悔など、涙を誘うストーリーになっている。
システム的にはセーブもできないし、パスワードもバックアップ機能もない。ゲームスタートしたらクリアまで電源を切れないというストイックなゲームである。(初期のファミコンゲームは大抵そうであるが)
私は小学生の時、このゲームをプレイした。
恥ずかしながら、自力ではクリアできなかった。地下迷路でつまづいた。
たぶん友人から聞いて解き方を知ったのだと思う。あるいは、ある攻略系のゲーム雑誌で間違ってクリアまでの攻略法を載せてしまったことがあったらしいので、それを見たのかも知れない。
当時、自力で解けた小学生は少ないと思う。(負け惜しみではない!)
地下迷路では一切ヒントがないので、「ドン!ドン!」と壁にぶつかりまくる。(結果的にこれが功を奏するのだが)
最後の真犯人探しもコマンド総当りでないと無理だろう。
しょぼいグラフィックといい、ヒントの少なさといい、一見、駄目ゲームのようであるが、意外な真犯人を含め、結構印象に残るゲームであった。名作と言ってもいいだろう。
機会があればもう一度プレイしたいゲームである。
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「バルーンファイト」は1985年1月22日に任天堂から発売されたファミコンソフトである。(2004年にGBA用ファミコンミニで復活)
風船を持った主人公が空を飛び回って敵の風船を割るゲーム。ボタンを押すと上に上がり、離すと下に下がるという単純な操作であるに関わらず、かなり面白い。だが、何故戦うのか、何故敵が襲ってくるのか、一切不明。エンディングがあるのかどうかも解からない。
しかし、このゲームの真髄は敵を倒すことではない。2人プレイでの殺し合いがこのゲームの正しい遊び方である。ゲームスタートと同時に、本来は協力者であるはずの相手に向かって突進。敵は一切無視。殺すか殺されるかのぶつかり合い。いつ友達と喧嘩が始まってもおかしくない殺伐した雰囲気となる。
「バルーンファイト」に限らず、「マリオブラザーズ」「ボンバーマン」「アイスクライマー」など初期のファミコンは、1人プレイではたいして面白くなく、本来のゲーム進行とは関係の無い、2人プレイでの殺し合いが主とした遊び方になるソフトが多かった。
これこそファミコンがブームとなった一因だと思う。2人プレイが主流となる中で、ファミコンを持っていない人も友達の家で殺し合いに熱中し、興味を持ち、ゲームが面白いものだと知る。そして、自分もファミコンを所有するようになり、結果、莫大な台数の売上へと繋がった。そして、ファミコンが広く普及した頃、ドラクエを起点とするRPG全盛の時代となり、1人プレイが中心となっていく。

愛すべきクソゲーの筆頭格
「燃えろ!プロ野球」である。
「燃えろ!プロ野球」は1987年にジャレコから発売されたプロ野球のファミコンソフトである。音声システムの導入やペナントレースモード、投手を背にした画面構成などが当時発売されていた他の野球ゲームとは一戦を画しており、ファミコン雑誌での評価も高かったことからたくさんの人が買い求めた。
小学生ながらに賢明だった私は購入せず、友人宅に入り浸ってはひたすら対戦プレイをしていた。
同時期に流行っていたということもあるが、燃えプロはナムコのファミスタと比較されることが多い。ファミスタの投球が横の変化しかなかったのに対して、燃えプロは横の変化に加えて縦の変化も加えたので、カーブやフォークなどの「落ち球」が視覚的にもわかるようになった。そして、打者のスイングも左右の指示だけでなく、上下の指示も出さなければいけなかった。
2Dの画面上で3Dの感覚が味わえた。これは当時画期的なことであった。
(ファミスタにもフォークがあるが、落ちたら絶対打てないという点で、野球板の消える魔球と同じであり、これは上下の概念ではない)
しかしながら、燃えプロは「空振りしにくい」「ひと試合に時間がかかる」「四番打者は本塁打ばかり打つ」「バグが多い」など問題が山積みだった。
空振りしにくく、当たればヒット、走者の足はとても遅いなどバランスがイマイチだったり、ファールのあとはどこに投げてもストライクになるというバグが簡単に発生したり(生産後期では修正された)、強打者はバントでもホームランになるなど、お笑いネタとして使われることの方が多くなっていった。
確かに今考えると、燃えプロはクソゲーだったかもしれないが、球の上下という概念を生み出したという点と、「バントでホームラン」という今でも残る笑いネタを生み出したという点で、けっこう名作なのかもしれない。
ゲーム史上最弱の名をほしいままにした主人公が活躍するゲーム
「スペランカー」である。
「スペランカー」は1985年に株式会社アイレムから発売されたファミコンソフトである。
ピラミッドの財宝を手に入れるという目的に挑むゲームであるが、そんな冒険をするには相応しくない主人公の虚弱体質っぷりが、伝説となったゲームである。
どのくらい虚弱かというと、
ひざの高さくらいのちょっとしたくぼみがある。くぼみの中に落ちてみる。即死。
下りのエレベーターに乗っている。ちょっとジャンプする。即死。
エレベーターを降りる際、エレベーターと地面の間にちょっとした隙間があったために即死。
なだらかな坂道で、ちょっと斜め前にジャンプする。即死。
とにかく高低差に弱い。
コウモリが落としたフンが当たった。即死。
コウモリを倒した後に舞い落ちる変な光の粉に当たる。即死。
幽霊はなぜかマシンガンで倒せる。が、倒した後に出現する妖しい光の粉に当たると、即死。
体力ゲージという概念が無いので、一触即死。
理不尽な死に方をするのが、ファミコン時代の常識とは言え、この虚弱ぶりは特異である。
とにかく、コウモリのフンに当たって死ぬような奴は、ピラミットの財宝を手に入れるなどという夢を見てはいけません。

昨日はネタが書けずにすいませんでした。予告通りに今日は2ネタいきます。
「ファミコンウォーズ」は1988年8月に任天堂から発売されたファミコンソフトである。ファミコン用として初めての現代戦争を舞台とした戦略シミュレーションゲーム(※)であり、兵士たちが走りながら「ファミコンウォーズが出ーるぞ!」「母ちゃん達には内緒だぞー!」と歌っていたCMもインパクトが強かった。
当時の現代戦争の戦略シミュレーションゲームといえば、パソコン用の「大戦略」だった。ファミコンウォーズのゲームシステムも基本的に「大戦略」に沿っており、兵器を生産し、都市を占領し、敵兵力を壊滅させ、敵拠点を制圧するという標準的なものである。「大戦略」との最大の違いは、マスが6角形ではなく4角形である事、兵器名が実名ではなく戦車A・戦闘機Bというように略称されている事の2つである。
ストーリーは、レッドスター軍とブルームーン軍が、とある戦略的要所の列島拠点で戦い、最終的に敵軍の最大拠点(最終面)を陥落させ、制圧するというものである。戦略的要所の列島拠点は合計15ヶ所、レッドスター・ブルームーン両軍の最大拠点がそれぞれ1ヶ所づつと、計17面ある。
ファミコンウォーズは、「大戦略」経験者にとっても満足できる良質な戦略シミュレーションゲームであると同時に、シミュレーションゲームとしての面白さを損なわないままにシステムを極力簡略化している為、全くの未経験者または子供に、戦略シミュレーションゲームがなんたるかを知らしめたという点で、テレビゲームの歴史上、多大な功績を残した名作である。
※「シュミレーション」という人がいますが、正しくは「シミュレーション」です。お間違いなく。

【今週木曜日アメリカ・テキサス州ヒューストンにあるマクドナルド店内で、二人組の男がペンタゴンを爆破してやると洒落にならない脅迫行為を行ったとして、警察がこの二人の行方を追っている。犯人グループは50代と20代と思われる男性二人組で、事件当日同マクドナルドで食べたバーガー類があまりにもまずく、しかもサービスも最悪だったとの理由で店内で憤慨、「ペンタゴンとマクドナルドを爆破してやる」と同店のマネージャーに詰め寄ったという。】
イラクに核兵器があると言ったり、コーヒーを膝にこぼして火傷したのは店側がコーヒーが「熱い」と注意しなかったからと訴えたりと、何かにつけて人にいちゃもんつけるのが大好きなアメリカ人が、またやらかしてくれた。
サービスが悪くて、しかもバーガーがまずいと店に文句を言うところまでは良しとしよう。しかし、何故これが「ペンタゴン爆破」に繋がるのだろうか。マクドナルドの利益の一部が米国防総省に流れているというのなら判るが。
これが日本なら、「吉野家に行ったら牛丼がなかったので警視庁を爆破する、と脅迫する。」といったところか。