少年漫画的少女漫画

『BANANA FISH』は、「吉田秋生」作のハードボイルドロマン漫画。1985年から1994年にかけて「別冊少女コミック」で連載された。単行本は全19巻。
【あらすじ】
謎の合成麻薬「バナナフィッシュ」。ストーリートギャングのボスであるアッシュ・リンクスは偶然この麻薬のサンプルを手に入れることにより、ベトナムで何故兄であるグリフィンが発狂したかを知ることになる。偶然ストーリートギャングを取材に来た日本人の英二と共に「バナナフィッシュ」の謎を追ううちに、マフィア、国家をも動かす大きな野望の渦に巻き込まれてゆく。
IQ180で類まれなる美貌の金髪碧眼、鋼の精神を持つ美少年「アッシュ」。恵まれるが故に、妬み、嫉み、羨望、執着、崇拝と、様々なトラブルが降りかかる。その悲哀も受け止められる「英二」との人間関係を軸に、話は「バナナフィッシュ」とアッシュをめぐり、最後まで緊張感を孕んで突っ走る。
初期の頃は絵が荒く、設定が複雑だが、そこさえ乗り越えれば、もはや絵などどうでもよくなるほど、面白い展開に魅了されてしまう。また、全体的な構成に言えることだが、静と動のコントラストが素晴らしく、漫画というより映画を観ているような感じにさせられる。
『BANANA FISH』は、男が読んでも面白いと思える少女コミックの代表的存在である。
少女漫画とは思えない綿密なストーリーと個性的なキャラ、そして美しい友情の描写とに支えられた傑作である。舞台になっているN・Yの社会情勢や内包する問題なんかについても、とてもよく調べてる。内容も濃いし、展開のスピードも申し分ない。
少女漫画特有の同性愛を絡んだ表現が若干あるが、作品の完成度が非常に高く、全く気にならない。だが、友情と愛情の狭間を行ったり来たりする繊細な心の襞をじっくり描けるのは、少女漫画の土俵ならではなのかもしれない。
残念なことに、少女漫画のため、この作品を読んだことの無い男性も多いかもしれない。本屋でも少女漫画コーナーにあるため、素通りしてしまって、手に取ったことがないと思う。
だけど、男性でも楽しんで読めることは間違い無い。今まで少女漫画を読んだことがない男性が、最初に少女漫画に触れる作品としては最適な作品である。
それにしても、同じ年代で、男子は「努力・友情・勝利」の少年ジャンプを読んで、「俺もかめはめ波、撃てないかな?」と、かめはめ波の構えをとっていた一方で、女子はこんな複雑な人間関係を疑似体験していたのである。
「同じ年の男の子って、ガキに見えるわよね」と言われても仕方ないわな。こりゃ。
(評価 88点/100点)
祝事)
今日、カウンターが80,000ヒット突破しました。
∩( ・ω・)∩ ばんじゃーい!!
でも、今まで一度も「キリ番ゲット」の報告が無いのは、寂しい限り…。





