びっくり箱

今日は、「昔の筆箱」について。
今の小学生がどんな筆箱を使っているのかは知らんが、おそらく布製・革製のものやプラスティック製ケース型のものを使っているのだろう。

私が小学生の頃の筆箱といえば、「多面式筆箱」であった。

表と裏、両面が開くのは当たり前。
中には、2層3層、果てには5層程に開き、それぞれの面に文房具が収納出来るもの(画像左)や、側面を押すと収納ポケットが飛び出してくるもの(画像中央)や、挙句には左右半分に分かれており、マグネットでくっついたり離れたりするもの(画像右)まで現れた。
「面が多いのだから、それだけ多くの文房具を収めることが出来る」と思われるかもしれないが、箱の容積は決まっているのだから、実際はそれほどの数は収納出来ない。寧ろ、層の板の厚さの分だけ容積が狭いくらいである。
その上、筆箱としては馬鹿デカいので、机の上に置いておくとかなり邪魔であった。
だが、子供たちが「多面式筆箱」に求めていたのは、「筆箱としての実用性」ではなく、「友達に自慢するための道具」としての役割であった。
「どれだけ面が多いか」「どれだけ文房具の収納スペース数が多いか」が勝負であり、今ならば、家のリフォーム番組に出てくる「収納の匠」が泣いて喜びそうな代物であった。
そして、数での勝負が限界に達すると、「左右に分かれる筆箱」といった、奇抜なものが登場するようになったのである。
しかし、「多面式筆箱」で喜んでいられるのも、せいぜい小学校低中学年までで、高学年になっても「多面式筆箱」を所有しているのは、寧ろ恥ずかしい事であった。
高学年になると、大抵の人は「カンペンケース」に移行していった。
そして、中でも男子の間で流行ったのが、「ゲーム付きカンペンケース」であった。



「カンペンケース」の中に内蓋がついていて、そこにファミコンゲームをモチーフとした、双六のようなものが描かれているのが主流であった。
そして、えんぴつを削って作ったサイコロを転がして遊ぶのであった。予めルーレットが付いているものもあった。

他にも、「ボウリング・カンペンケース」というものあった。
わざわざカンペンの中でピン立てて、傾斜板からパチンコ玉を転がしてボウリングをするのである。
もはや、これは筆箱ではなかったw
だが、「カンペンケース」には1つ、重大な欠点があった。
それは、「落とすと、音がメチャクチャうるさい」ということであった。
静まり返った授業中に「カンペン」を落とすと、そりゃあもう「ガラガラガッシャーン!!」と響きまくり、授業が中断される程であった。
なので、「カンペン禁止令」が発布されるクラスが後を絶たなかった。
現在でも、「カンペン禁止」としている小学校も多いらしい。

さて余談だが、私よりもかなり上の年代、昭和30年代生まれの人にとっての「昔の筆箱」といえば、サンスターの「アーム筆入れ」であろう。
(あの、ハミガキ粉とかのサンスターとは別の会社である。)
今の若い人は、「アーム筆入れ」という商品名を見てもピンと来ないと思うが、
「象が踏んでも壊れない」筆箱と言えば、分かる人も多いことであろう。

テレビCMでは実際に象に踏ませ、「わぁ〜本当に壊れていないや」と男の子にわざとらしいセリフと言わせた商品である。
そして、購入して学校に持っていくと、友達に「本当に壊れないか、試してみようぜ!」とボコボコに踏まれ、新品を汚されて、挙句に壊されてしまう、という商品である。
この「アーム筆入れ」の誕生には、ちょっとした裏話がある。
その昔、暴走族が「カミナリ族」と呼ばれていた頃、彼らは交差点の信号機を石をぶつけて、割って喜んでいた。そこで警察は、信号機を特殊な硬化プラスチックに換えて対抗した。
この話を聞いたサンスターの社員が、この素材を使ってめちゃくちゃ丈夫な筆箱を作ることを提案し、これが「アーム筆箱」となって世に登場した、という訳である。
尚、この筆箱のヒット以来、業績を伸ばしたサンスターは本社ビルを建てるまでに成長し、この提案をした社員は、後に社長嬢令と結婚し、現在では専務にまで昇進しているらしい。
ちなみに、「アーム筆入れ」は「NEWアーム筆入れ」と名前を変え、現在でも販売されている。
「NEWアーム筆入れ」
←ランキングに参加中。クリックお願いします。




