豆車

今日は、「昔遊んでいたオモチャを振り返ろう」シリーズ、第8弾。
今回振り返るオモチャは、「チョロQ」。
「チョロQ」は現在でも発売され続けているので、今更説明の必要はないのかもしれない。
それでも、一応は説明しておきますか。
「チョロQ」は、「タカラ」(現タカラトミー)が発売している、「プルバック式ゼンマイ」で走る
3~4cm四方の自動車のおもちゃである。
要は、「走るミニカー」といったところだろうか。
「プルバック式ゼンマイ」の「プルバック」というのは、「pull」(引く)「back」(後ろに)。
つまり、「チョロQ」は、後ろに引くとゼンマイが巻かれる仕組みになっており、ゼンマイを
巻いた状態で手を離すと前に走り出す。
名前の由来は、「チョロチョロ走る、キュートな車」から来ている。
現在でも発売されているといっても、果たして、今の子供達が「チョロQ」で遊んでいるのか
どうかは知らない。
だが、私の子供の頃、80年代半ば頃はまさに「チョロQブーム」であった。
「チョロQ」の形態は、実写を上手くデフォルメしながらも、愛嬌がある丸みを帯びた形であり、小学生を中心に大人気を博した。
私の思い出話を1つ。
私の住んでいる地域では、今でこそ暖冬で雪が積もる事は滅多に無いが、私が子供の頃はガンガン積もっていた。
そうなると、小学校のグラウンドにも雪が積もり、休み時間は「雪上サッカー」以外にグラウンドで遊ぶ事が出来なくなってしまう。
そこで、私の小学校では、「冬の間は、学校にオモチャを持ってきても良い」という特別
ルールが設けられていた。
しかし、そこは学校の事。
何のオモチャを持ってきても良いという訳ではなく、「持ってきても良いオモチャ」というのが指定された。
もちろん「ゲームウォッチ」などはダメで、許可されたのは、「将棋」や「オセロ」といった地味なものばかりであった。
そんな「持ってきても良いオモチャ」に指定されたオモチャの中で一番人気だったのが、
「チョロQ」であった。
休み時間になる度に机は前の方に押し寄せられて、教室の後ろの方で「大チョロQ大会」
開催である。
もちろん、女子たちには白い目で見られるのだが、そんなものは気にしない。
まあ、「大チョロQ大会」といっても、各自思い思いに走らせたり、競走させたり、「チョロQ」を
ぶつけ合うだけの遊びなのだが。
閑話休題。
「チョロQ」は、乗用車・スポーツカーなどのスタンダードシリーズの他、「働く車」など数多くのシリーズ展開がなされたり、企業、ディズニーなどのキャラクターなど、様々な形のコラボレーションチョロQも発売された。
また、全国各地の路線バスなどの限定物も多く出ている。
シリーズ物のチョロQやコラボレーションチョロQは数多く発売されているので、全ては網羅
できない。
なので、その一部だけでもご紹介。
【西部警察】 【ゼロゼロマシン】 【74式戦車】



【清掃車】 【ENEOSオイル缶】 【鉄腕アトム】




「チョロQブーム」が円熟期に入ると、派生商品として「チョロバイ」というのも発売された。
要は「二輪のチョロQ」で、「チョロQ」と仕組みは同じである。
私は、「チョロQ」よりも「チョロバイ」の方が好きだった。
多分、丸っこい可愛らしい「チョロQ」よりも「チョロバイ」のゴテゴテとした無骨さにカッコ良さを感じたのであろう。
また、四輪の「チョロQ」よりも二輪の「チョロバイ」方が当然走らせるのが難しいので、
「チョロバイの方が上」という、根拠の乏しい優越感を抱いていたのだと思う。

さて、「チョロQ」といえば、やはり、「ウイリー走行」はかかせない。
大抵の「チョロQ」には、車体の後ろの方にコインを挟めるクリップ部が付いていた。
そこにコインを挟むと、当然後ろの方が重くなるのだから、車体の前方が浮き上がる。
そのまま「チョロQ」を走らせると、ウイリーしたまま走っていくのである。
現実世界では「四輪車がウイリーしながら走行する」という事は有り得ない、ということも
あってか、その姿に魅了されたものである。
また、コインをクリップ部の右端(左端)に挟むと、右後輪(左後輪)を軸にしてクルクルと回転する、というテクニックもあった。
クリップ部に挟むコインは、コインであれば何でも構わないのだが、何故かしら皆「10円玉」を用いていた。
下手に「100円玉」を使おうものなら、皆から「金持ち」扱いされ、その後タカられる羽目になるからでもあったが。
最後に余談だが、現在では、赤外線コントローラで動かせるチョロQ、「Q-STEER」
(キューステア)というのが発売されているそうな。
こんなの、「チョロQ」じゃないやい!
「赤外線コントロールチョロQ -キューステア-」
【昔遊んでいたオモチャを振り返ろうシリーズ 一覧】
第1弾 「ゴールドライタン」/第2弾 「スネークキューブ」第3弾 「ホッピング」
第4弾 「水でふくらむ恐竜」/第5弾 「サッカーゲーム盤」/第6弾 「ブタミントン」
第7弾 「くるくるてれび」
